■オーダーシャツの縮みに関して。

お客様からオーダーシャツの衿やカフスの縮みに関してご質問を受けます。

特に最近シャツの衿やカフスが縮むとよく言われます。お客様にお聞きすると最近クリーニング屋さんをかえたとか。近所のクリーニング屋さんがなくなって大手のクリーニング屋さんに変えてから縮むようになったとか。

シャツが縮んでもお客様がクリーニング屋さんにはクレームを出すということは少ないと思いますし、逆にクリーニング屋さんはうちのせいではないとも言うと思います。

当店でオーダーされるお客様は糸番手も高級番手のグレードの高い綿素材のものをご着用なわけですが、多くの方はポリエステル混紡であったり、形態安定であったりと着心地よりもメンテナンス重視のシャツをご着用だと思います。そしてクリーニング屋さんもほとんどがそんなシャツをクリーニングされていると考えます。 ですからある程度乱暴に扱ったとしても傷みにくい。当然生地も丈夫かも知れませんが糸も太い糸自体も硬いものを使ったシャツだと思います。

ですから、クリーニング屋さんによっては「他のシャツはそんなに縮まない!」と言われたというお客様もいらっしゃいます。

しかし1枚100円前後で洗ってプレスまでして仕上げてくるわけですから、それは効率よくやらないとそのコストでは仕上がらないですし、機械を導入して枚数をこなさないと無理だとも承知致しています。

ただ、私もクリーニング屋さんの中まで行ってどんな風にプレスをしているかは見たことがありません。

昔はクリーニング屋さんの前を通ると、ケーキ屋さんやお菓子やさんなどが厨房をガラス張りにして作っているところなどを見ることがあるように、おじさんがシャツにアイロンをかけているのが見えるようなクリーニング屋さんもありました。

今回クリーニング屋さんの様子をYou Tubeで検索すると。結構アップされていました。



2017年投稿の映像なので少し古いですが、これからさほど変わっているとも思いません。冒頭の13秒くらいからの映像。水に濡れたシャツをプレス機にそのまま置いていきなりプレス機でプレスします。

そもそも「カッターシャツだけは機械でやった方が仕上がりが良い」とテロップが出ています。本当にそうでしょうか?

よくお客様に言うのは、「縮んだのではなく、縮んだ状態でプレスをかけるから縮む 」のだと思います。と言ってます。

当たり前ですが、紙でも布でも水に入れたら縮みます。本来であればそれを伸ばしてプレスをかければ縮みは少ないと思います。この映像はかなり衝撃的なものでした。

せめてプレス機でプレスする前に少しでいいから引っ張ってプレス機に置いて頂ければそこまで縮むことはないと思うのです。

今度はそれとは逆に本当に職人さんがしっかりとプレスをしている映像。機械じゃなくてもこんなに綺麗に仕上がるということをこちらの動画で。



当店のシャツは決して安いシャツではないと思いますし、生地自体も最高級の生地を使わせて頂いています。ですからできるだけ上記のような仕上げをしているクリーニング屋さんに出してほしいと思っています。

ただ、このようなクリーニングをしてくれるクリーニング屋さん自体も少なくなっているのは事実。

縮みも初期の段階であれば、ご自宅でもある程度回復できる方法もあります。



お客様に縮みの実態をお知らせしたくページとさせて頂きました。